Q5.セクシュアルマイノリティはどのくらいいるの?

参考としては、海外でも日本でも、同性愛などについてのアンケート調査が実施されたことがあります。
これらの調査を総括すると、「自分を同性愛者と思う」「同性と性的接触をしたことがある」という人は全体の3〜5%、10%程度となっており、「同性に対して性的に惹かれたことがある」という回答は20%まで上昇します。

ただし、先にお話したように、10人いれば10通りの性があります。
身体の性に違和感を持ち手術までする人もいれば、多少の違和感を感じつつも身体の性で生きている人もいます。
好きな同性との触れ合いを求める人もいれば、淡い憧れのような気持ちで同性を慕うだけの人もいるでしょう。
また、それまで完全に異性愛者であった人が、同性愛者(両性愛者)になることもあります。
更には、「同性愛は悪いものだ」という認識を持っている同性愛者もいるので、そういった人が調査に際して本当のことを答えるかは不明です。
これらのことから、「どのくらいいるのか?」という問いに対する正確な答えを出すことはとても困難です。

ただ、前述のアンケート調査の結果から、どんなに少なく見積もっても学校の1クラスに1人はセクシュアルマイノリティが存在している、ということが言えると思います。

ところで、セクシュアルマイノリティが集まりやすい場所というのがあります。たとえば新宿二丁目が有名です。
このために「セクシュアルマイノリティは都会にいるものだ、地方にはいない」という思い込みをしている人が少なくありません。

「性」は生まれながら自然に持っているものであり、人は場所を選んでこの世に生まれてくるのではありません。日本中、世界中に、セクシュアルマイノリティは生まれ、生きています。
都市部に比べ伝統や慣習が強い地方社会は彼らにとって暮らしやすい場所ではなく、住み慣れた土地を離れ、都会へ出て行く人は後を絶ちません。
しかし学校に通っていたり経済的に自立できない若い間は、それもできません。

伝統や慣習には、道徳的な教えなど尊ぶべき点もたくさんあります。
ですが、一つの形を正しいものとして人に押し付けるような面は変えていかなくてはなりません。異なる在り方を受け入れることが重要です。
同性愛者などのセクシュアルマイノリティも、異性愛者と何ら変わりない「人」なのです。
どこに生まれ育っても、どこで暮らしていても、人は皆幸せになる権利を持っているのです。

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