Q4.カミングアウトって何?

セクシュアルマイノリティが、家族や友人、社会などに対して、自分がセクシュアルマイノリティであることを明かすことを「カミングアウト」といいます。
では何故彼らは、カミングアウトするのでしょうか?

人は親しい間柄になっていくと、お互いの性に関する話題にも触れるようになります。
好きな人のこと、好みのタイプ、子供や配偶者のこと、人生について・・・。お互いをもっとよく知るためにも触れる話題であるし、親しくなってくるとプライベートな悩み事を相談するようにもなります。
ところが、この会話で本当のことを話すためには、セクシュアルマイノリティは相手に対して、最初にカミングアウトしなければなりません。

世の中には残念なことに、セクシュアルマイノリティは悪だとか、気持ち悪いという意識を持った人達がまだ大勢います。
同性愛者は死刑となる国もあります。日本でも「ホモ狩り」として同性愛者を狙った犯罪が起きたりしました。いじめもなくなっていません。
そうでなくても普段の生活で出会う人達はほとんどが異性愛者であり、恋愛ドラマも、学校の教育も制服も、「男」と「女」という在り方が当然のように思える社会です。
最近はテレビでも取り上げられることが出てきましたが、まだまだ身近に知られてきたとは言えません。
異性愛中心の社会の中で、多くのセクシュアルマイノリティは「明かしてはいけない」ということを潜在的に学んで育ちます。
そのため、自分の性についての悩みも、恋の話も、好きな芸能人の話も、本当のことを言えなくなってしまいます。

しかし親しくなっても本当のことを話せないということは、「嘘をついている」という後ろめたさや罪悪感へ繋がっていきます。
また、恋人ができて嬉しい時も、ふられて悲しい時も、親しい友人にさえそれを打ち明けられないのはとても孤独です。

話したい

カミングアウトは、たくさんの勇気が必要です。それまでの関係が壊れてしまうかもしれない、変な噂が立つかもしれない。
それでもあなたを信頼しているから、そんな強い不安を打ち破ってカミングアウトをするのですが、それ自体は目的やゴールではありません。
本当の自分でもっといろんな会話をしたい。嘘や偽りなく向き合いたい。そんな関係を作るための、「スタート」なのです。

もしカミングアウトを受けたら、異性愛者の方はどう返答していいのかわからなくなることもあるかもしれません。
そんな時は、カミングアウトはスタートであるということを思い出してください。
きっと、嬉しいこと、悲しいこと、悩み・・・あなたとお話したいことが、その人にはたくさんあるのです。