Q1.セクシュアルマイノリティって何?

セクシュアルマイノリティというのは、直訳すると「性的少数者」です。
ゲイ・レズビアン(同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー、インターセックス、クエスチョニングなど、「性」の在り方や特徴が多数者(マジョリティ)とは異なる人達のことです。頭文字をとってLGBT、LGBTIQとも言います。

一般的に、性別というと身体の性別という風にとらえることが多いと思いますが、ここで言う「性」は、3つの要素から成り立っています。

1つは、生物学的性。身体の性です。
人は「男性」「女性」という性別を持って生まれてきます。
しかし、中には男女両方の特徴をもっている、もしくは男女どちらかに分化してない子供が生まれることがあります。
これを「インターセックス(半陰陽)」といいます。外性器、内性器、ホルモン、性染色体など、様々なレベルで起こります。

2つめは、性自認。心の性です。
持って生まれた身体が「男性」であれば自分を男性と思い、「女性」であれば自分を女性と思うのが多数者です。
それに対して、自分の性別を身体と同じ性別として認識していない人達がいます。これが広い意味での「トランスジェンダー」です。
近頃知られてきた「性同一性障害」は、心と身体の性の不一致により生活上困難や苦痛があり、ホルモン治療や性別適合手術といった治療を必要とする人の診断名です。

3つめは、性的指向。恋愛対象とする性です。
「男性」であれば女性に、「女性」であれば男性に恋愛感情を持つというのが多数者で、「異性愛者」と言います。
それに対して、男性として男性を愛する人、女性として女性を愛する人を「同性愛者」と言います。また、男性・女性とも恋愛対象となる「両性愛者」もいます。

更には、これらの定義がどれもしっくりこないとか、複数当てはまるために自分が何者かわからない、という場合もあります。

自分何なんだべ…

あなたの暮らしているこの世界には、以上のような「男女」では分け切れない多様な性が存在します。
この中の、性についての少数者が「セクシュアルマイノリティ」ということになります。
実際には多数者であれ少数者であれみんな少しずつ異なった性の在り方を持っているので、10人の人がいれば10通りの性があると思っても過言ではありません。
その様子を、境界のない虹のグラデーションに例えることがあります。性は、必ずしも明確なものではないのです。

セクシュアルマイノリティは、少数であるというだけで、間違っているとか、不自然だとかいうものではありません。
多数者にとって、性別や人を愛するということがごく自然なものであるのと同じように、少数者にとっても、その性別や人を愛することは自分で決められることではなく、ごく自然なものなのです。